【シングルレビュー】家入レオ『ワルツ』〜恋は終わっても愛は続く切ない最新ドラマ主題歌

本記事では、家入レオさんの「ワルツ」をレビューします。

まだ家入レオさんのファンではない方、既にファンの方、双方へ向けて、『ワルツ』の魅力を紹介します。すべての方に楽しんで頂ける内容になっています。

本記事をきっかけに魅力を存分に感じて頂けたら嬉しいです。

この記事のポイント

ファンではない方、既にファンの方、双方向け
ワルツのシングルレビュー、魅力
ワルツの特徴的な歌詞
ワルツのエピソード
ワルツをカラオケで歌う際のポイント

ザガン

切ない彼女の最新ナンバー！！

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それでは、『ワルツ』シングルレビューお楽しみください！

ワルツ

楽曲プロフィール

ワルツの楽曲情報は下記の通り。

ワルツ

収録　　　未収録
オリコン　週間17位
発売時期　2024年5月22日
作詞作曲　家入レオ

楽曲のお気に入り度

🌟：5　切なくも前向きな歌詞に癒された人も多いと思います！

恋は終わっても愛は続く、切なさを詰め込んだ最新ドラマ主題歌♪

魅力

概要

テレビドラマ『ミス・ターゲット』主題歌となった本作は、恋は終わっても愛は続く、切なさの中に希望の光を内包した真っ直ぐで暖かなミディアムバラード。

前作のシングル『空と青』では、爽やかで軽快なアップテンポテーマだったが、今作は一転、暖かい歌声と切なくも前向きな歌詞が印象的な内容。

彼女の歌唱力、ゆったりとした曲調、ワルツを踊るかのよう切なくも前向きな歌詞が上手く噛み合い、ファン以外の方へも勿論、万人受けする楽曲に仕上がっています。

実際、ドラマ内の百戦錬磨の結婚詐欺師が恋に落ちる、切ない感情模様と曲の世界観が見事にマッチし、ドラマを彩る最高のドラマ主題歌となりました。

家入レオさんドラマ主題歌13作目で初の自作曲。

ドラマに対するワルツへの思いに関して、

インタビューの中では下記のように語っています。

ドラマ内のラブコメ要素のある『陽』とは反対側の側面を音楽で担うことができたら、ドラマの奥行きや立体感を生み出せるのではないか
ORICON NEWS より引用

ドラマを如何に引き立てるかを模索し、バラードを製作されたそうです。ドラマ内ではコメディな部分にもありつつ、ラストEDでしっとりさせる素晴らしい演出がされていたと思います。

また、ワルツという楽曲自体への思いに関して、

他のインタビュー内では下記のように語っています。

ワルツは夜があけることはないんじゃないかと思っている人たちへの毛布のような包み込む存在になりたいと思って歌った
USENの音楽情報サイト「encore」より引用

単に恋愛男女の歌にとどまらず、「どういう人へ自分の気持ちを届けたいのか？」を模索し、前に進めず悩んでいるすべての方へ向けて。「色々な視点で世界を見つめること」を意識されたとのことです。

苦悩すら自身の財産となり、辿り着いた行き先が、今回の楽曲『ワルツ』。

皆さん、彼女の苦悩の結晶を存分に堪能してください。

イントロ

イントロはやらかい音色のシンセサイザー音でスタート。

この時点から切ない雰囲気満載でとにかく暖かいメロディー。このあとの展開を期待させる申し分無い素敵な音色。セラピー効果があるかのように本当に心地よい。

イントロクイズがもしもあったとしたら、

一瞬で答えられそうなくらい印象的なイントロとなっています。

Aメロ

あの指も声もまだここにある
誰もいない公園であなたを待っていた
家入レオワルツ歌詞 | KKBOX

イントロの美しい旋律を継承し、彼女のやわらかく囁くような歌唱でワルツ開幕。

ワードセンスは勿論抜群なのは言うまでもないが、力を抜いたやわらかい発声が切ない印象を醸し出している。例えると、柔らかい風船を壊さないようにそ～っと息を吹きかけるような発声。

また、声に比例するかのように、伴奏も比較的静かな演奏。

彼女の落ち着いたやわらかい歌唱をしっかりささえるような安定した伴奏となっています。逆にサビとの対比、抑揚のメリハリにつながる計算されているAメロ部分。

Bメロ

心の壊れた音がした今はまだ消せない
家入レオワルツ歌詞 | KKBOX

本曲のリズム崩し担当パートその①。

Bメロのポイントは「アクセントとリズムの変化」。

Aメロまでは比較的静かで単調な印象だったが、Bメロでは『心の』/『壊れた』/『音がした』という風に敢えてワードに区切りのアクセントをつけて、単調だったリズムを崩しています。

これにより曲自体に緩急がつき、文字通り心が壊れた、という感情を自然な形で表現している。

曲全体へのアクセントにもなっており、切なくも伸びやかな高音のサビへの橋渡し的な役割を担っている。サビで思いを吐き出す前の助走段階として非常に大事なパート。

Bメロは非常に短いパートですが、あるのと無いのとでは曲の聞こえ方に雲泥の差があります。

Cメロ（大サビ前）

もしも素直に泣ける私だったらなんてね
分かってるのに考えてしまう時間(とき)よ早く過ぎて
家入レオワルツ歌詞 | KKBOX

本曲のリズム崩し担当パートその②。

彼女の綺麗な歌声が際立つパートとなっており、高音ビブラートが頻繁する重要な聴かせポイント。

Bメロとは違った曲全体のリズム崩し、アクセントに秀でているパートで、大サビ前の盛り上がりを担っている。このリズム崩しが甘美なワルツを終幕へ誘っています。終幕への助走。

サビ・大サビ

恋は終わったけど愛は続くの
呆れるくらい好きだった人 1人踊ってるワルツ

この愛があなたに届かなくても
今以上に胸が痛む明日が待っていても

この愛であなたに悲しい想いばかりさせた

ねぇ踊り続けるような夢見続けるような
聞こえないまま笑って
家入レオワルツ歌詞 | KKBOX

彼女の歌唱力が際立つ本曲最大の見せ場。

大サビは伴奏無しでほぼアカペラに近い状態となり、切なさとやわらかさが交錯する本当に美しいビブラート。細かいビブラートが揺れる感情を表しているかのよう。

他のアーティストにはない独特の魅力があります。

また、大サビでは下記の4つの要素が魅力的なポイントです。

ワルツ大サビの４つのポイント

タイトル『ワルツ』の使いどころ
段階的な声質の変化
バラードなのに楽し気な明るい表情
『ねぇ』によるリズム感の創出

タイトル『ワルツ』の使いどころ

曲に1回しか登場しないワルツがここで登場。

他のパートでは『踊りつづける』などの連想させる歌詞はありましたが、大サビという最大の見せ場で、タイトル曲を唯一1回使うセンスがさすがだなと感じます。

今回の曲に「ワルツ」というタイトルを付けた理由は？

というインタビューに下記のようにコメントされています。

最初は男女2人でステップを踏んでいたが、気づいたら1人で踊っている、もうお別れしているのに、自分ばかり楽しかった過去のことを思い出してる、吹っ切ったはずがまた思い出してる、気持ちがダンスを踊っているように変化していく、それが悲しいと思った
USENの音楽情報サイト「encore」より引用

恋は終わったが、愛は続いて1人歩きしている切なさを、曲タイトルのワルツ3文字で表現。

さらにそれを、大サビというでクライマックスで使用する神がかったセンスが見事です。

個人的に本曲最大の好きポイント。

段階的な声質の変化

声質の変化も大サビの魅力です。

『この愛があなたに～』では、やらかい声質で始まり、

『今以上に胸が痛む～』では、伸びやかな切ない声を張るパートへ段階的に遷移。

まるでワルツの階段を上っているかのよう。

さらに高音ビブラートも披露し、段階的な声色変化テクニックが本当に素晴らしい。他のアーティストの方でもここまで声色変化できる歌手は珍しいかと思います。圧巻のテクニックを披露。

バラードなのに楽し気な明るい表情

もう一つ特徴的なのは、サビ内で、

「バラードなのに楽しげな明るい声、明るい表情で歌われていること」

こちらもインタビューの中で、下記のエピソードがあったようです。

レコーディングでスタッフのみんなに、悲しく歌ったパターンと、楽しいことを想像しながら歌ったパターンを聴いてもらったら、楽しい気持ちで歌ったものの方が響いたという声が圧倒的に多くて
USENの音楽情報サイト「encore」より引用

大切な人とさよならするって悲しいことのはずですが、敢えて微笑んで歌うことで、さらに深みを演出、表現できていたのかもしれません。

実際、テレビ番組などで歌われていたのを拝見しましたが、確かに微笑んで歌唱してるんですよね。彼女の敢えて独特な、切ない表現方法には「さすが」という賞賛しかありません。

「①伴奏のやわらかい切なさ、②声の楽しい明るさ」

伴奏と声が見事に対比となり、お互いを引き立てあっているのも魅力の一つですね。

『ねぇ』によるリズム感の創出

もう一つの魅力は、サビの合間にある『ねぇ』という語りかけるかのようなパート。

『ねぇ』の役割

リズム感の創出
サビに立体感をプラス
低音の問いかけるようなワードが切ない
ワルツ感を創出、ステップのようなリズミカルさ

こちらもサビのリズム創出に欠かせないパートとなっており、これがあることでサビに立体感のあるリズムが生まれ、低音の問いかけるようなワードが切なさも表現しています。

まさにワルツのステップを刻んでいるかのようにリズミカル。

『まだ踊りつけるような』、『夢見続けるような』というワルツの『踊る』に関連するワードを続けることで、サビ、および、曲全体へワルツ感を創出する役割を担っており、非常に重要なファクターとなっています。

まさに家入レオにしか表現できないような芸当を披露し、本曲は終幕を迎えます。

ザガン

総じてレオさんの曲センス、才能がホントにすごい

総評

総じて、家入さんの歌唱力、表現力が存分に発揮された1曲で、暖かな歌詞と包容力あふれる歌声が魅力の素敵な代表曲になりました。ファン以外の老若男女誰にも受け入れられる楽曲になったかと思います。個人的に彼女の曲の中でも上位で好きな1曲。

オリコン

このシングルはオリコン週間17位で週間TOP10入りは逃しましたが、

テレビドラマ主題歌ということもあり、一般層の耳にも入る機会が多い作品に。久しぶりにメディアで露出も増えた曲で、とある某音楽番組ではフル歌唱を披露しています。

既存ファンは勿論、ファン以外の方にも浸透した作品で、彼女の代表曲の一つになりました。

今回の主題歌のドラマDVDです！

レオちゃんの繊細な歌声と共に、ドラマのストーリーも堪能しましょう！

リンク

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ザガン

「楽天ミュージックかなりおススメです！！

特徴的な歌詞

ワルツのタイトルにふさわしく、切なくも前向きな歌詞が頻繁していた本作。

曲を構成作る特徴的なワードだと感じたのは下記です。

特徴的な歌詞

『この愛があなたに届かなくても』
『恋は終わったけど愛は続くの』
『1人踊ってるワルツ』

上記のワードを繋げるだけでも、曲の大筋のイメージは感じられると思います。

恋が終わりつつもまだ終わりきれない、もどかしい気持ちを表現するワードが特徴的で、ドラマの主人公の感情やテーマにも上手くマッチし、ドラマ内の『陽』とは反対側の部分を彩る重要な要素を演出していました。

また、ワルツの歌詞作りに関して、インタビューの中で下記のようにコメントされています。

曲を作るときは自分の心層、心の階段を下っていくようにメロディを作っていく。形にならない心のモヤモヤ、霞がかかった感情をメロディにして、それが出来上がったところで、気持ちの答えを探していく。その時、メロディと一緒にでてきた言葉が1番強く、今回のサビの冒頭部分はまさにそうだった。
USENの音楽情報サイト「encore」より引用

「この愛があなたに届かなくても」「恋は終わったけど愛は続くの」

これこそがワルツで表現したかったこと、伝えたかったことですね。

彼女が悩み抜き、心の霞を晴らし、気持ちをワードにした結晶がこの曲のサビ冒頭に現れています。

ぜひ皆さん、必聴です！

ザガン

ワードセンスが凄すぎて圧巻です。

彼女の結晶ですね。